CMA
その意義は、それまで銀行とその他の金融機関を仕切っていた壁を破壊し、預金するマネーと投資するマネーをはっきりと分けていた個人投資家の心の壁をも突き崩したことにあります。MMFの誕生は、アメリカの中流階級がマネーに対する投資態度を変えた最初の革命といっていいでしょう。しかし、MMFが本当の意味で市民権を得たといっていいのは、後にアメリカ最大のミューチャルファンド会社、フィデリティが、MMFに小切手を発行できる特典を付けてからだといわれています。一九七四年にフィデリティが発売したFDIT(フィデリティ・デイリー・インカム・トラスト)は大ヒットし、以後MMFは三○○以上の種類に五○○○億ドルを上回る残高を誇る、有数の金融商品になりました。一九七五年に株式委託売買手数料が完全自由化されたのをきっかけにして、チャールズ・シュワブがディスカウントブローカーを始めたのも画期的な金融革命の一つだといえます。ディスカウントブローカーの経緯については、第一章でふれていますので、ここでは省略します。そして、アメリカの金融革命を不動のものにしたのは、世界最大の証券会社メリル・リンチが一九七六年に導入したCMA(キャッシュ・マネジメント・アカウント)です。