メリル・リンチ
メリル・リンチといえば、全米中に多くの支店を持ち、中流階級の投資家を対象にして証券業務を営むという本業の姿の他に、不動産や保険も手掛ける総合ファイナンサーとしてその地盤を固めています。そもそもメリル・リンチの創業者、チャールズ・メリルは、ウォール街を中流階級のための場所にすることを目指して、「ウォールストリートをメインストリートへ」というスローガンを掲げたことで有名ですが、CMAはまさにメリル・リンチが飛躍する決定的な商品になりました。まず、メリル・リンチのCMAの特徴はMMFが付いていたことです。CMAの預け金には金利が付くうえに、配当金その他振込金すべてがMMFに定期的に振り替えられるために、非常に高利息が期待できました。もちろん、MMFには小切手振り出し機能も付いていたので銀行口座並みの便利さがあり、さらにはクレジットカードの決済口座としても有効で、かつ残高が足りないときには、資金融資が受けられる信用取引口座まで組み入れられていました。CMAの大ヒットによってメリル・リンチの顧客は一○○万人を超え、全顧客の二○%がCMA関連の顧客だったそうです。金融革命に取り組んだアメリカの金融プレーヤーは、すべて民間人です。金融当局に官製の市場創設やお墨付きをねだったりは決してしませんでした。これこそがアメリカ金融革命のダイナミズムなのです。いまだにオカミを頼っている日本の規制金融からは、何も生まれないのは明らかです。