地租改正条例

地租改正条例の冒頭には、「旧来田畑貢納ノ法ヲ皆改廃シ更二地券調査相済次第土地ノ代価二従上百分ノ三ヲ以テ地租ト可相定」と定められ、地租は地価の三%と明記されています。ここでいう地価とは、当初は「実際売買すべき見込みの価格」でしたが、これではなれ合い売買で不当に安い売買価格がはびこる恐れがあったため、最終的には総収穫または小作料から経費を差し引いて得られた収益を利息で割って、利回りによる資本還元を行う方法に統一されました。例えば自作地の地価は、収穫から一五%の費用と地租、それに地租の三○%の村入用を控除した純収益を六%の利回りで割って求められました。また小作地の場合は、小作料から地租と村入用を控除して求めた純収益を四%の利回りで還元して求める方法がとられました。これこそ収益還元法に通じる地価決定メカニズムです。いまから一三○年も前に導入された収益還元法が、少なくとも公的な価格決定の場から追い出されたままになっている日本の現状は危機的です。例えばシンガポールでは、固定資産税の課税対象となる地価にはいまでも収益還元法が使われています。日本も近代国家建設の精神にかえって、官民ともに収益還元法の意味を見直すべきではないでしょうか。

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